インフルエンザ

インフルエンザは毎年その年に合ったワクチンが作られます。インフルエンザのワクチンの主な目的は「重症化の予防」です。したがって、ワクチンを打っても感染してしまうことはあります(ただし、結果としては感染率が下がったという報告はあります)。
ワクチンは製造工程で鶏卵を使うため、重度の卵アレルギーがある方は注意が必要ですが、加工品などは食べても大丈夫という方は接種できるケースも多いです。主治医にご相談ください。

どういう病気?

インフルエンザは、どういう病気?

毎年冬に園や学校などで大流行する最も有名な感染症で、A型とB型があります。
予防にはワクチンが有効です。検査も治療も確立されていますが、ごく稀にインフルエンザ脳症など重症化することがあるので、注意が必要です。

主な症状

  • 発熱
  • 悪寒
  • 関節痛
  • 頭痛
  • 鼻水

インフルエンザの特徴

インフルエンザウイルスというウイルスで(同名の細菌もいますが別物です)、A型とB型があります。毎年11月ごろから発生し、長い年は4月ごろまで流行が続きます。
急な発熱や悪寒から始まり、咳や鼻水は後から出現してくることが多いとされています。大きなお子さんは関節痛や筋肉痛を訴える方もいます。A型の方が症状が強いという意見もありますが、統計的にはっきりとした差はありません。

一般的な診断・治療

鼻の奥に綿棒を入れて粘液を取り、検査キットにかけると10分程度でA型とB型とを判定できます。周囲の流行状況と問診・診察の状況から総合的に判断して、検査なしでインフルエンザと診断することもあります(検査は必須ではありません)。
治療はウイルスに対する治療と、症状を抑える治療(対症療法)があります。
ウイルスに対する治療は、①タミフルなどのウイルス治療薬②漢方薬がありますが、インフルエンザは自然治癒可能な病気ですので、軽症であれば薬を使わないという選択も可能です。①のウイルス薬は、飲むタイプや吸入タイプ、点滴などがありますので、主治医と相談して決めることになります。

ホームケア・アドバイス

はじめの数日は高熱のため食欲が低下しがちですが、発熱のため汗や水蒸気として水分が逃げて行きやすくなります。好きなもので構いませんので、水分はこまめに補給するようにしましょう。固形物は無理に与える必要はなく、食欲が出てきてからで十分です。
インフルエンザは飛沫感染する感染症ですので、マスクや咳エチケットが重要です。寝室を分ける必要はありませんが、大人もかかる可能性が十分ありますので、添い寝や近くで寝る場合はマスクはして寝る方が良いでしょう。
高齢者や持病をお持ちのご家族がおられる場合は、その方に対する予防内服(全額自費)ができる場合もありますので、ご希望の方は主治医にご相談ください。

受診の目安

  • いったん下がってきた熱が再び上がり出したときや、発症後数日して咳が強くなってきた場合などは受診が必要です。

  • けいれんが起きたり、意識状態がおかしい(呼び掛けても反応が乏しいなど)場合は急いで医療機関を受診してください。

登校・登園の目安

下記の基準を両方を満たした場合に登校・登園が可能となります。
① 発熱した日を「0日目」とし、5日間休んで6日目からOK。
② 熱がない日が2日間(未就学児は3日間)あれば、その次の日からOK。