RSウイルス感染症

早産児や心臓・肺に基礎疾患のある乳幼児は、重症化するリスクが高いため重症化の抑制にシナジス(抗RSウイルスモノクローナル抗体)を予防投与します。

どういう病気?

RSウイルス感染症は、どういう病気?RSウイルスによる呼吸器の感染症で、冬から春にかけて流行します。
2歳までにほぼ全てのお子さんがかかりますが、大人になっても繰り返し感染します。1歳未満の赤ちゃんでは肺炎や細気管支炎をきたして重症化することがあります。

主な症状

  • 発熱
  • 咳嗽
  • 鼻汁
  • 喘鳴
  • 呼吸困難
  • 無呼吸発作

RSウイルス感染症の特徴

正式にはRespiratory syncytial virusと言い、感染すると年齢を問わず、風邪などの症状を引き起こすウイルスです。
夏の終わりころから流行が始まり、冬から春にかけてピークとなります。
1歳までに50〜70%のお子さんが感染し、2歳までにはほぼ全てのお子さんが感染しますが、それ以降も繰り返し感染します。
咳やくしゃみによる飛沫感染、ウイルスが付着した部位を触っての接触感染により感染します。ウイルスは発症後10~14日間体外へ排泄されています。
軽症の感冒様症状ですむこともあれば、重症の細気管支炎や肺炎を起こすこともあります。
4~5日の潜伏期のあと、発熱、鼻汁などの上気道症状が数日続きます。多くは軽症ですみますが、その後、30~40%は症状が進行します。咳がひどくなる、喘鳴がでる(息を吐くときに「ヒュー、ヒュー」「ゼー、ゼー」と音がする)、呼吸困難となるなどの症状がでてこれば肺炎や細気管支炎への進行を疑います。1歳未満、特に生後6か月未満の場合重症化しやすく、特に生後1か月未満の乳児では突然の無呼吸発作など非典型的な症状をきたします。2歳を超えれば軽症の風邪症状ですむことがほとんどです。
感染後に気道過敏性が形成されるため、喘息発症にも関与します。

一般的な診断・治療

鼻の奥に綿棒を入れて鼻粘膜を採取しての迅速検査で診断できます。
1歳以上のお子さんでは重症化のリスクは高くないため、必ずしも検査は必要ではありません。
特効薬はありません。発熱、咳、鼻水に対して対症療法を行います。
呼吸状態が悪くなれば入院加療を考慮します。

ホームケア・アドバイス

こまめに手洗いをしましょう。
家庭内では症状の軽い年長の同胞から感染することが多いため、上の子にマスクをさせたり、共用するおもちゃなどの消毒を行いましょう。

受診の目安

ぜーぜー、ヒューヒュー言っている(喘鳴)、息を吸い込むと胸がへこむ(陥没呼吸)、呼吸困難、チアノーゼなどの症状があれば再診してください

登校・登園の目安

発熱、咳などの症状が安定すれば登校・登園は可能です。