どんどん変わるコロナ、今知っておくべきことって何ですか?
新型コロナウイルス(COVID-19)は、法律での位置づけがインフルエンザと同じ「5類」に変わって、社会全体がピリピリするムードは和らぎましたね。
でも、みなさんのご家族にとって、このウイルスは今でもやっぱり心配のタネの一つですよね。「この熱、ただの風邪?もしかしてコロナ?」「もしコロナだったら、どうすればいいの?」なんて疑問は、今も多くの人の心の中にあるはずです 1。
ウイルスはいつも変化していて、流行の波は何度もやってきます。
実はこの記事を執筆している2025年の7月にはまた流行の波が来ています。
例によってモデルナ社の推計データを参照してみましょう↓

オレンジのグラフの右端をみてください。2025/7ごろからグッと上向いてきてるでしょ。これが今です。
もう政府もマスコミも大きく報じなくなっていますが、この数年は「夏と冬に増える」というのがパターンになっていますね。
あまり報道されなくなってきたからこそ、みなさんが最新のホントの情報を知って、落ち着いて行動できることがすごく大事だと思います。
この記事は、そんなみなさんとご家族のために、コロナの「今」をわかりやすくまとめたガイドです。今日本で流行っているウイルスの特徴から、かかった時の具体的な症状、そして「もしも」の時に役立つおうちでのケアや病院に行くタイミング、さらには学校を休むルールや後遺症、ワクチンといった先々のことまで、信じられる情報をわかりやすく解説していきますね。なんとなくの不安を、確かな知識と「大丈夫!」っていう自信に変える手助けになれば嬉しいです。
まずは最新のコロナウイルスについて、次にかかった時の症状の見分け方、そしておうちでのケアと病院に行くタイミング、学校のルールについて説明して、最後にコロナの後遺症とワクチンっていう、ちょっと長い目で見た健康の話を考えていきましょう。
今のコロナって何型?— 最新の「KP.3」について知りましょう
ウイルスは変身し続けます!これまでの歴史
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、生き残るために、いつも少しずつ自分を変化(変異)させているんです。まるでゲームのキャラクターがどんどんバージョンアップしていくみたいですね。
パンデミックが始まった頃のアルファ株やデルタ株、そして世界中で大流行したオミクロン株みたいに、これまでも色々な「変身したウイルス」が出てきては、主役が交代してきました 3。
大事なのは、数年前のコロナと今のコロナは、もう同じじゃないってことです。ウイルスが変わると、うつりやすさや症状の出方も少しずつ変わってくるんです。
今のメインプレイヤー:「KP.3」とは?
2024年の夏、今日本で一番流行っているのが「KP.3」っていう名前の変異株です 6。これは、2023年の冬から2024年のはじめに流行った「JN.1」株の子どものようなウイルスなんです。さらにそのご先祖様をたどると、BA.2.86(通称:ピロラ)っていう、それまでのウイルスからガラッと姿を変えたやつに行き着きます 6。
東京都のデータを見ると、2024年5月にはもう新しい感染者の70%以上がKP.3になってて、6月中旬には81.1%にまで増えています。あっという間に前のウイルスから主役の座を奪ったってわけですね 6。つまり、今コロナにかかったら、その原因はほとんどこのKP.3の可能性が高いということです。
KP.3のポイント(みなさんが知っておくべきこと)
専門的な話はちょっと難しいですが、みなさんが知っておくべきKP.3の大事な特徴は、「うつりやすさ」と「症状の重さ」の2つですよ。
うつりやすさ(感染力)
KP.3は、とにかくうつる力が強いのが特徴です。ウイルスの表面にあるトゲトゲ(スパイクタンパク質)に「F456L」みたいな新しい変異が加わったことで、前にコロナにかかったりワクチンを打ったりしてできた僕らの体の「見張り番(免疫)」を、うまくすり抜ける能力(免疫逃避能)がアップしているんです 7。このせいで、一度コロナにかかったことがある人でも、またかかってしまう「再感染」が起きやすくなっています。
症状の重さ(重症度)
ここは、みなさんが一番安心できるポイントかもしれません。今のところ、KP.3がこれまでのオミクロン株の仲間(例えばJN.1など)と比べて、症状が重くなりやすいという証拠は報告されていません 6。
私たちが実際にクリニックで診察したコロナは、健康な子どもさんでは一般的な「風邪」とそうかわりません。
印象レベルですが、インフルエンザよりも随分軽い感じがしています。(あくまで1個人の乾燥です)
ただ、かかる人の数が増えれば、その分、入院する人の数も増えてしまうので、感染が広がること自体には注意が必要ですよ 6。
免疫からの「かくれんぼ」
KP.3は、2023年のワクチンが主にターゲットにしていたXBBっていうタイプのウイルスとは、遺伝子の作りがかなり違います 6。だから、前のワクチンや感染でできた免疫だけでは、KP.3に「かかること自体」を防ぐのは難しいかもしれません。でも、これまでの免疫は、かかった時に重症になるのを防ぐという大事な役割は、ちゃんと果たしてくれていると考えられています 8。
このKP.3の性質は、今のコロナ対策の考え方をちょっと変えます。
つまり、このウイルスは健康な子にとっては症状が「マイルド(軽い)」だけど、家族の中ではあっという間に広がる「マイティ(強力)」な感染力を持っています。
この組み合わせが、今の時代のコロナ対策の難しいところです。
子ども一人がかかっても、症状が軽いから「まあ大丈夫か」ってなりがちですが、その結果、ウイルスはその強い感染力で家族に広がって、親の仕事やみんなの予定をメチャクチャにしてしまう可能性があります。
もっと心配なのは、一緒に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃん、体の抵抗力が弱い家族のように、重症になりやすい人にうつしてしまうことです。「軽い風邪」のようなウイルスでも、ハイリスクな人にとっては重症化する可能性は十分残っており、大変なことになるかもしれません。
だから、今のコロナ対策で一番大事なのは、単に「病気の子どもの看病」だけではなく、「病気の子どもをケアしつつ、どうやって家族全員を守るかというチーム戦(家庭内での集団感染対策)」という視点なんです。この考え方は、後で話すおうちでの感染対策を理解するのにすごく重要ですね。
「もしかして、コロナ?」— 最近のコロナの症状はこれです!
ウイルスが変身すると、出てくる症状の傾向も変わってきます。特に小さい子どもの場合、自分の症状をうまく言えないので、周りの大人が気をつけて見てあげることが大事なんです。
最近のコロナによくある主な症状
今の主流、JN.1やKP.3系統では、特にこんな症状が特徴的です。
- 喉が痛い(咽頭痛): 最近のコロナの一番の特徴かもしれません。海外では「カミソリの刃で喉を切られたみたい(razor-blade throat)」って言われるくらい、鋭くて強い痛みが出ることがあります 6。このせいで、ご飯を食べたり飲み物を飲んだりするのがイヤになってしまうこともあります。
- 熱が出る(発熱): これも、やっぱりよくある最初のサインです。特に小さい子だと、40度近い高熱が出ることも珍しくありません 10。ただ、最近は微熱程度で終わってしまうケースも散見されるようになってきました。
- 咳: 最初はコンコンという乾いた咳が多くて、だんだん痰がからんだゴホゴホという咳に変わっていくことがあります 10。
- だるさ・倦怠感: いつもより元気がない、ぐったりしている、遊びたがらない、といった感じです 10。
- その他のよくある症状: 頭痛、筋肉痛、鼻水・鼻づまりなんかもよくありますよ 9。
子どもに特有の症状
大人とはちょっと違う、子どもならではの症状にも注意しましょう。
- お腹の症状: 吐いてしまったり、お腹をこわしたり(下痢)、お腹が痛くなったり。咳や鼻水よりも、こちらの症状が目立つこともあります 15。
- 症状がない・軽い: 結構たくさんの子どもが、症状が全くなかったり、すごく軽い鼻風邪くらいで済んでしまいます。でも、症状がなくてもウイルスは体から出ていて、他の人にうつす力はあるので、これが学校などで感染が広がる原因の一つになっているんです 15。
マレだけど気をつけるべきサイン
めったにないですが、知っておくと安心な大事なサインもありますよ。
- 発疹・皮膚の症状: 体中にブツブツが出たり、手足の指が「しもやけ」のようになったりすることが報告されています 15。
- 小児多系統炎症性症候群(MIS-C): コロナにかかった後、何週間か経ってから高熱や発疹、体のあちこちが炎症を起こす、マレですが重い病気です。日本ではすごくマレですが、熱がずっと続く時は注意が必要ですよ 15。
「いつもと様子が違うな」と感じた時、親御さんはすごく不安になるものですよね。そこで、落ち着いて状況をチェックして、どうすればいいか判断するためのリストを作りました。病院に相談する時にも役立ちますから、参考にしてみてくださいね。
症状 | チェックポイント | おうちでのケア | 病院に行く目安 |
熱 | 熱は何度ですか?機嫌はいいですか?ぐったりしていませんか? | 水やお茶をちょこちょこ飲ませます。服を一枚脱がせましょう。すごくつらそうなら熱冷ましの薬を考えます。 | 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの熱。高い熱が続きます。水分がとれません。ぐったりしています。 |
喉の痛み | ご飯や飲み物を嫌がりませんか?(小さい子の場合)よだれがいつもより多くないですか? | ゼリーやプリン、ヨーグルトのようなツルンとしたものをあげます。アイスや経口補水液を凍らせたものも良いです。1歳以上ならハチミツもいいですよ。 | 痛くて水分を全然飲めない時です。 |
咳 | 乾いた咳ですか?痰がからむ咳ですか?夜眠れないくらいひどいですか?息が苦しそうじゃないですか? | 部屋が乾燥しないようにします(加湿器など)。温かい飲み物をあげましょう。 | 咳で眠れません。呼吸が速い、ゼーゼーしています。顔色が悪いです。 |
だるさ・元気のなさ | 呼んだらちゃんと返事しますか?すぐに起きますか? | とにかくゆっくり休ませます。 | ぐったりしていて、呼んでも反応がにぶい時です。 |
吐く・下痢 | 何回くらい吐いていますか?おしっこが出ない、涙が出ない、口が乾くみたいな脱水症状はありませんか? | 経口補水液(OS-1など)を少しずつ、何回もあげます。 | 何度も吐いて水分が全く摂れません。脱水症状があります。 |
発疹 | どこに出ていますか?広がっていますか? | 清潔にして、かかないようにします。 | 発疹と高熱が続きます。ぐったりしています。 |
おうちでのケアと病院に行くタイミング
コロナにかかった、またはその疑いがある時、一番知りたいのは「具体的にどうすればいいの?」ということですよね。ここでは、おうちでの看病のポイントと、病院に行くべきタイミングを具体的に解説しますね。
Part 3.1: おうちでできる、やさしい看病(ホームケア)
多くの子どもは、おうちでちゃんとケアすれば、軽い症状のまま元気になります。慌てずに、ポイントを押さえて看病しましょう。
- 水分補給が一番大事!: 熱が出たり吐いたりすると、体から水分がどんどん出ていってしまいます。脱水は子どもの体力を一気に奪うから、一番気をつけたいポイントです。水、麦茶、子ども用のイオン飲料(経口補水液)などを、少しずつ、こまめにあげましょう。喉が痛い時は、オレンジジュースのような酸っぱいものはしみるので、避けたほうがいいかもしれません 18。
- 食事: 無理に食べさせる必要はありませんよ。症状がよくなれば、自然にお腹もすいてきます。食べたそうなら、消化のいいものを中心に、本人が欲しがるものをあげましょう。喉が痛いなら、ゼリー、プリン、ヨーグルト、アイス、冷めたスープなどが食べやすいですよ。固形物より、まずは水分をしっかりとることを優先してくださいね 18。
- 熱が出たら: 熱が出るのは、体がウイルスと戦っている証拠でもあるんです。だから、熱を下げること自体がゴールではありません。熱冷ましの薬(解熱剤)は、熱が高いからとすぐ使うのではなく、高熱でぐったりしているとか、つらくて眠れない、水分がとれないという時に、体を楽にしてあげるために使いましょう 19。子どもに使える解熱剤の主な成分は「アセトアミノフェン」(カロナールなどが有名)です。必ず子どもの体重に合った量を守って使ってくださいね 19。
- 快適な環境づくり: 部屋の温度を調節して、過ごしやすくしてあげましょう。特に冬は空気が乾燥しやすいです。乾燥は喉や鼻に良くないので、加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干したりして、湿度を40~60%くらいに保つと、呼吸が楽になりますよ 18。
- お風呂: 元気があれば、お風呂に入ってもOKです。汗を流してさっぱりすれば、気分も変わります。でも、長風呂は疲れるので、シャワーでさっと済ませるか、短めに入りましょう。ぐったりしていたり、本人が嫌がったりする時は無理に入れなくて大丈夫です。その時は、お湯で絞ったタオルで体を拭いてあげるだけでも十分ですよ 18。
Part 3.2: このサインは危険!— すぐに病院へ行くべき症状
ほとんどの場合はおうちで良くなりますが、ごくマレに重症になったり、他の病気を引き起こしたりすることがあります。下の「危険なサイン」が見られたら、夜中でも休日でも、ためらわずに救急病院に行ってくださいね。
- 呼吸がおかしい
- 肩でハアハア息をしている、呼吸が速い
- 息を吸うときに胸やお腹がペコッとへこむ
- 顔色や唇の色が悪い(青白い、紫色) 10
- ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
- 脱水症状
- 半日以上おしっこが出ていない
- 泣いても涙が出ない
- 口の中や唇がカピカピに乾いている
- ぐったりして元気がない 10
- 意識がおかしい
- 呼んでも反応しない、または反応がにぶい
- けいれん(ひきつけ)を起こした 10
- 意味のわからないことを言う
- その他の危険な症状
- 何度も吐いて、水分が全く摂れない 10
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが熱を出している 10
どうしようか迷った時は、子ども医療電話相談「#8000」や、救急安心センター事業「#7119」に電話して相談するのもいい方法です。専門の人が話を聞いて、病院に行くべきか、どうすればいいかアドバイスをくれますよ 23。
Part 3.3: 家族みんなを守るために — おうちでの感染対策
先ほども言いましたが、今のコロナはすごくうつりやすいので、家族の中で感染が広がるのを防ぐことがとても大事です。小さい子を完全に別の部屋に閉じ込めるのは難しいですし、かわいそうなので、完璧じゃなくていいんです。「リスクをできるだけ減らす」という気持ちで対策しましょう 25。
- 換気: 一番簡単で効果がある対策の一つです。1~2時間に一回、数分でいいので、窓を2か所以上開けて空気の通り道を作りましょう。寒くても定期的にやることが大事です 23。
- マスク: 看病するお父さんやお母さんは、マスクをちゃんとつけましょう。かかっているお子さんも、できれば(2歳以上で嫌がらなければ)マスクをすると、ウイルスが飛び散るのを減らせます。でも、2歳より小さいお子さんにマスクをさせるのは息が詰まる危険があるのでやめましょう 23。
- 手洗い: 家族みんなで、こまめに石鹸で手を洗うのが基本です。特に、看病の前後、ご飯の前後、トイレの後はしっかり洗いましょう 23。
- お世話する人を決める: できれば、お世話はお父さんかお母さん、どちらか一人が担当するようにして、他の家族との接触を減らしましょう 23。
- 共有物を分ける: タオル、お皿、お箸、コップなどは、かかっているお子さん専用のものを用意して、一緒に使わないようにします。
- 消毒: ドアノブ、リモコン、電気のスイッチ、トイレのレバーのように、みんながよく触る場所を、アルコール消毒液などで定期的に拭きましょう 25。
- 洗濯とゴミ: かかった人が使った服やシーツは、他の家族のものと一緒に洗濯して大丈夫です。でも、洗濯機に入れるまでは直接触らないように気をつけてください。鼻をかんだティッシュなどのゴミは、ビニール袋に入れて口をしっかり縛ってから、普通のゴミとして捨ててOKです 23。
学校・保育園のルール:いつから行ける?出席停止の正しい知識
体調が良くなってきたら、次に気になるのは「いつから学校や保育園に行けるの?」ということですよね。これには、法律(学校保健安全法)でちゃんとルールが決まっているんです。
学校を休む期間の公式ルール
コロナにかかった時に学校を休む期間は、法律でこう決まっていますよ。
「症状が出始めてから5日間が過ぎて、かつ、症状が良くなってから1日(24時間)が過ぎるまで」 2
ちょっと複雑に聞こえるかもしれませんが、ポイントを分解すればカンタンですよ。
ルールの詳しい解説
- 「症状が出た日」=0日目: 熱や咳が出た最初の日を「0日目」と数えます。その次の日が「1日目」になります 28。
- 「5日間が過ぎて」: これは、0日目から数えて5日間は必ず休んでくださいね、ということです。だから、一番早くても学校に行けるのは「6日目」からです。
- 「症状が良くなった」: これがすごく大事なポイントです。ここで言う「良くなった」というのは、熱冷ましの薬を使わなくても熱が下がって、ひどい咳や喉の痛みのようなメインの症状が楽になった状態のことです 28。
- 「かつ(AND条件)」: 上の2つの条件は、両方クリアしないといけません。例えば、6日目になってもまだ熱があったり、薬を飲まないと熱が出てしまったりする場合は、まだ学校には行けません。その場合は、「薬なしで平熱になって、他の症状も良くなってから、丸1日(24時間)経つ」まで、お休みが続くことになるんです。
学校に行き始めた後の注意点
お休み期間が終わって学校に行けるようになっても、症状が出てから10日間くらいは、まだウイルスを出してしまう可能性があると言われています。だから、周りの友達にうつさないように、できればマスクをしていくのがおすすめですよ 2。
家族がコロナになったら?(濃厚接触者)
今のルールでは、家族がコロナにかかっても、他の家族は「濃厚接触者」として扱われて、必ずしも外出禁止にはなりません。でも、もちろん感染している可能性は普通より高いです。
だから、かかった人の症状が出た日を0日として、特に5日間はご自身の体調に気をつけて、7日目までは人混みを避けたり、マスクをしたり、おじいちゃんおばあちゃんのようなハイリスクな人に会うのを避ける、といった配慮が求められます 2。
冬はインフルエンザも流行りますよね。コロナとインフルエンザでは休む期間のルールがちょっと違うので、下の表でチェックしておきましょう。
病気 | 学校を休む期間のルール | 例:月曜日に症状が出た場合 |
新型コロナウイルス | 症状が出てから5日間が過ぎ、かつ、症状が良くなってから1日が過ぎるまで | 月(0日)~**金(4日)**は出席停止。**土(5日)も出席停止。早ければ日(6日)**から登校可能。でも、金曜の時点でまだ症状があれば、良くなってからさらに1日休む必要があります。 |
インフルエンザ | 症状が出てから5日間が過ぎ、かつ、熱が下がってから2日(小さい子は3日)が過ぎるまで | 月(0日)~**金(4日)**は出席停止。**土(5日)も出席停止。さらに、例えば水曜に解熱した場合、木(解熱後1日)・金(解熱後2日)も休む必要があります。両方の条件をクリアした土(6日)**から登校可能です。 |
長い目で考えましょう:コロナの「後遺症」と「ワクチン」のこと
急な症状が治まった後も、コロナはみなさんの健康に影響を残すことがあります。ここでは、治った後も気をつけたい「後遺症」と、予防のための選択肢である「ワクチン」について、最新の情報を元に解説しますね。
Part 5.1: 治った後も注意したい「コロナ後遺症」
コロナにかかった後、何週間も、時には何ヶ月も、色々な不調が続くことがあります。これを「罹患後症状(りかんごしょうじょう)」、いわゆる「コロナ後遺症」と呼ぶんです。これは大人だけの話ではなく、子どもにも起こることがわかってきました。
- 子どもによくある後遺症: 一番多いのは、「疲れやすい・だるい(倦怠感)」、「集中できない・頭がボーッとする(ブレインフォグ)」、頭痛、長引く咳などですよ 14。
- どれくらいの人がなるの?: みんなが後遺症になるわけではありませんが、一度なると、学校の勉強や部活のような日常生活に大きな影響が出ることがあります。日本の研究では、後遺症がある子どものうち10.5%が、コロナにかかってから半年以上たっても、勉強に集中できないような、生活への深刻な影響を感じていると報告されているんです 30。
- なりやすい人っているの?: 年齢が高いお子さんや、もともとアレルギーなどを持っているお子さんは、後遺症になるリスクが少し高いかもしれないと言われていますよ 30。
Part 5.2: 子どものコロナワクチン — メリットとデメリットを考えましょう
お父さんやお母さんにとって、お子さんにワクチンを打たせるかどうかは、すごく悩む問題ですよね。特に、2024年4月からコロナワクチンは基本的にお金を払って自分で選んで打つ「任意接種」になったので、それぞれの家庭での判断がもっと大事になっています 8。
日本小児科学会というお医者さんの団体は、生後6ヶ月以上のすべての子どもにコロナワクチンを打つことをすすめています。その理由は、「ワクチンを打つメリットが、副反応のようなデメリットを上回る」と考えているからなんです 8。
この判断の裏には、ワクチンのすごく大事な役割への理解があります。多くの人は、ワクチンを「重症になるのを防ぐもの」と考えがちです。健康な子どもはコロナで重症になることはマレなので、「それならワクチンはいらないんじゃない?」と思うのも自然なことですよね 15。でも、その考え方は、ワクチンのもう一つの、そしてもしかしたらもっと大事なメリットを見逃しているんです。
それは、**「コロナ後遺症になるリスクを減らす効果」**です。
日本の大きな研究で、ワクチンを2回以上打っていた子どもは、打っていなかった子どもに比べて、コロナ後遺症になる確率が半分にまで減ったことがわかったんです 30。マレだけどとても危険な「重症化」を防ぐだけでなく、もっと多くの人が経験するかもしれない、だるくて勉強に集中できなくなるような「後遺症」のリスクを減らせるというのは、ワクチンの価値を全然違う角度から見ることになります。これは、みなさんの将来の健康と元気な毎日を守る上で、すごく心強い科学的な証拠と言えますよね。
この点をふまえて、メリットとデメリットをもう一度整理してみましょう。
メリット
- 重症化や合併症を防ぐ: めったにないですが、入院したり、MIS-Cや急性脳症のようなとても重い状態になったりするリスクを減らします 22。
- コロナ後遺症のリスクを減らす: 先ほど言った通り、だるさや集中力ダウンのような、長引くイヤな症状に悩まされる可能性を減らせます 30。
- 家族や社会に広げない: 家族、特に重症になりやすいおじいちゃんやおばあちゃんを守ることにもつながります 32。
- 未来の変身ウイルスへの備え: 基本の免疫を作っておけば、これから新しい変身ウイルスが出てきても、追加のワクチンですぐに対応できるようになります 8。
デメリットと注意点
- 副反応: 注射したところが痛くなったり、熱が出たり、だるくなったり、頭が痛くなったりすることが、打った後数日間あります。ほとんどは軽くて自然に治りますよ 31。
- 心筋炎・心膜炎: すごくマレな副反応として、心臓の筋肉や膜が炎症を起こすことが報告されています。特に10代後半からの男の子に多いと言われていますが、大事なのは、コロナにかかった時に心筋炎になるリスクの方が、ワクチンでなるリスクよりもずっと高いということがわかっている点ですよ 31。
- お金と手間: 任意接種になったので、ワクチンを打つのにお金がかかります。
最後にワクチンを打つかどうか決めるのは、それぞれの家庭の考え方や状況によります。大切なのは、こうした正しい情報を元に、自分のことをよく知ってくれているかかりつけのお医者さんと相談して、納得できる答えを出すことですよ 32。
まとめ:不安を安心に。これからのコロナとの賢い付き合い方
コロナウイルスと一緒に生きていくのが、私たちの当たり前になりました。ウイルスが変わり続ける中で、不安な気持ちになることもあるかもしれません。でも、正しい知識を持つことは、その不安を乗り越えて、落ち着いて正しい行動をとるための最強の武器になります。
この記事で話した大事なポイントを、最後にもう一度まとめますね。
- 今のウイルス(KP.3)はうつる力は強いですが、症状の重さは前と変わりません。
- 症状は、特に「とても痛い喉」と「熱」に注意が必要です。
- ほとんどはおうちでゆっくりして水分をとれば治ります。でも、呼吸が苦しいとか脱水症状のような「危険なサイン」は見逃さないでください。
- 学校を休むルールは「症状が出てから5日、かつ良くなってから1日」と正しく覚えましょう。
- ワクチンは、マレな重症化を防ぐだけでなく、もっと身近な「後遺症」のリスクを半分にするという大きなメリットがあります。
これからの時代、私たちの目標はウイルスをゼロにすることではなく、そのリスクをうまくコントロールしながら、みんなの元気な毎日を守っていくことです。怖がるのではなく、正しく知って備える。それこそが、変わり続けるコロナの「今」と賢く付き合っていくための、一番確かな方法ですよ。この情報が、あなたとあなたの家族の健康を守るための助けになったら嬉しいです。