インフルエンザワクチン解説(ショートVer.)

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今日の内容のあらすじ

  • インフルエンザワクチンは「注射(不活化)」と「鼻スプレー(フルミスト=生ワクチン)」の2種類があります。どちらも有効ですが、2歳以上なら「痛みがない・1回で完了する」フルミストが受けやすい選択肢になります。
  • 0歳(生後6か月~)~2歳未満は注射一択です。特に1歳未満では効果が弱めになりやすい理由も解説します。
  • 効き目・副反応・対象年齢・接種回数・禁忌(使えないケース)をわかりやすく比較します。

インフルエンザワクチンは2種類

  • 不活化ワクチン(注射):インフルエンザウイルスを不活化・分解して作ります。主に血液中のIgG抗体で重症化を防ぐ仕組みです。日本では生後6か月から接種できます。13歳未満は原則2回接種です。
  • 生ワクチン/フルミスト(鼻スプレー):弱くした生きたウイルスを鼻に噴霧します。鼻粘膜の局所免疫(IgA)+全身免疫を誘導し、感染の入り口でブロックする効果が期待できます。2歳以上~18歳未満が対象で1回の接種で完了します。

サッと比較(保存版)

比較ポイント不活化(注射)フルミスト(鼻スプレー、生ワクチン)
対象年齢生後6か月以上2歳~18歳未満
接種回数(1シーズン)13歳未満は2回/13歳以上は通常1回1回で完了
痛みあり(注射)ほぼなし(噴霧)
期待できる免疫主に全身(IgG)粘膜(IgA)+全身
主な副反応注射部位の痛み・腫れ、発熱など鼻水・鼻づまり、咳、軽い発熱など
使えない主なケース基本的になし妊婦、免疫不全、重度喘息、2歳未満など
家族内の配慮特になし接種後1~2週間は重度免疫不全者との濃厚接触を避ける配慮が必要

(根拠:厚労省、日本小児科学会、CDC、添付文書 等)


効き目について

  • 日本小児科学会は「IIV(注射)とLAIV(フルミスト)で、発症予防効果に明確な優劣はない」と整理しています。つまりどちらも有効です。
  • 海外や国内の研究では、2~17歳の子どもでフルミストが同等か、やや上回る効果を示す年もあります。ただし、株やシーズンによって差があります。
  • 成人や高齢者では、注射の方が確実とされています。

1歳未満で効果が弱いとされる理由

  • 赤ちゃんは免疫が未熟で、母親からもらった抗体が干渉するため、ワクチンに反応しにくい傾向があります。
  • 過去のデータでは、1歳未満では予防効果がはっきりせず、1~6歳でも20~30%程度と報告されています。
  • ただし、まったく効果がないわけではないので、乳児期から保育園に入っていたり、兄弟が園や学校でもらって帰ってきたりするような、感染リスクの高い乳児は接種を積極的に考えて良いと思います。
  • また、乳児期に接種を開始することで、翌年以降の免疫の下地になる可能性があります。
  • なお、生後6か月未満は接種できないため、周囲の大人や兄弟がが接種して赤ちゃん守る「コクーン戦略」が大切です。(コクーンとはマユのこと)

副反応・安全性

不活化(注射)

  • 接種部位の痛みや腫れ、発熱・倦怠感など。いずれも数日で治まります。

フルミスト(鼻スプレー)

  • 鼻水・鼻づまり、軽い発熱、咳など。数日で自然に改善することが多いです。
  • 接種後1~2週間は、ワクチンウイルスがごくわずかに排泄されるため、重度免疫不全の方との接触に配慮が必要です。

フルミストが使えない場合

  • 2歳未満
  • 妊婦
  • 免疫不全・免疫抑制治療中
  • 重度の喘息や最近喘鳴が出ている幼児
  • アスピリンを長期服用中の小児(川崎病など)

接種スケジュール(日本)

  • 不活化ワクチン(注射):13歳未満は2回接種、13歳以上は1回接種。
  • フルミスト:2歳~18歳未満に1回(0.2 mL:両鼻に0.1 mLずつ)。

ぐんぐんが2歳以上はフルミストを推す理由

  1. 痛みがない:子どもが怖がらず、接種体験が良いものになる。
  2. 1回で完了:保護者の負担が軽く、打ち忘れも防げる。
  3. 粘膜免疫:鼻やのどでのブロック効果が期待でき、年によっては注射以上の効果が出ることもある。

まとめ

  • どちらも有効で安全なワクチンです。
  • 0歳~2歳未満や妊婦・基礎疾患のある方には注射。
  • 2歳以上の健康な子どもには、痛みがなく1回で終わるフルミストがおすすめです。

本日のまとめ

インフルエンザワクチンには2種類あり、どちらを選んでも効果は期待できます。大切なのは、毎年きちんと接種してインフルエンザを防ぐことです。

お子さんにとって、より負担の少ない方法を一緒に選んでいきましょう。今年の冬も元気に過ごせますように💪

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