最近、保育園は健診シーズンで、多くの園に内科健診にお邪魔します。
その時に園児の相談を受けました。
「この子、寝返りもつかまり立ちもするんですけど、お座りしないんです」
というもの。
この相談に対して、私はある質問で返しました。それは、、、
「この子、家でバンボチェア使ってないですか?」
その瞬間、その場にいた保育士さんから歓声が上がりました😱
「なんでわかったんですか?ぐんぐんの患者さんですか??」
いえいえ、違います。
最近こういうケース多いんです😅
今日はこんな事例について詳しく解説してみましょう。
バンボチェアとは
子育てをしているママ・パパなら誰でも知っている赤ちゃん用のチェアですね。
Amazonで販売されているページから写真をお借りしました↓
お値段は8000円程度とやや高めですが、世界中でかなり売れている大ヒット商品です。
実は我が家にもありました。
バンボチェアは赤ちゃんが自分で座ることができるように設計された補助座席です。
これは「一見」便利で安全に見えます。
たしかにね、お座りをする頃の赤ちゃんを座らせると、体にフィットして本人は非常に快適そうなんです。
でも実は、この「快適」というところに大きな落とし穴があることを、一般のママ・パパはあまりご存知ないのです。
赤ちゃんが「座る」ということ
一般的には、赤ちゃんは4-7ヶ月頃に自力で座る能力を発達させ始めます。
これは重要な運動発達のマイルストーンであり、赤ちゃんの体力、バランス感覚、協調性を高めるための一歩となります。
自力で座るためには、赤ちゃんはまず腹筋と背筋を鍛える必要があります。
これらの筋肉が発達すると、赤ちゃんは体を上向きに保つことができ、その後で頭を自在に動かし、周囲を観察する能力を発展させます。
つまり、自力で座る能力は、物理的な力だけでなく、視覚、聴覚、触覚などの感覚も同時に発展させます。
また、自力で座ることは、赤ちゃんの脳の神経発達にも非常に重要です。
自力で座るという行為は、身体のバランス感覚という難解な神経系の調整を必要とします。
このプロセスは、神経系の成熟を促し、赤ちゃんが次の発達段階、例えばハイハイや立ち上がるための基礎を築きます。
したがって、自力で座る能力を発展させるためには、赤ちゃんが自由に動き回り、身体を使って世界を探索する時間を十分に与えることが大切です。
バンボチェアの弊害
繰り返しになりますが、赤ちゃんが自力で座るためには、腹筋や背筋などのコアの筋力を発展させることが必要です。
しかし、バンボチェアはそれを補助し過ぎてしまい、結果として赤ちゃんは自力で座るための筋力を鍛える機会を失ってしまうのです。
自力で座るという能力は、ただ体を上向きに保つだけではなく、適切なバランスと姿勢を維持することも含みます。しかし、バンボチェアは赤ちゃんにその能力を発達させる機会を奪います。
冒頭で紹介したケースは、まさにバンボで筋力が発達しなかったケースなのです。
もう一つの問題点は、バンボチェアは赤ちゃんの好奇心を制限してしまうということ。
自由に動くことが制限されると、赤ちゃんは探索や新しい動きの試み、さらには自己主導的な運動の発達を制限されてしまいます。
バンボチェアのよくない使い方
一番良くないのは、テレビやスマホ、タブレットなどを目の前に置き、バンボチェアに座らせて、長時間放置することです。
現代のママ・パパは忙しいのは重々承知しています。
コロナ禍を経て、自宅で仕事をするママ・パパも増えてきました。
もしかするとオンラインのビデオ会議があったりすると、その横で赤ちゃんにはじっと大人しくしておいてもらいたい、というシチュエーションもあるかもしれません。
もちろんね、たまにはそういうことはあっても良いんです👌
赤ちゃんにとっても、楽な姿勢で動画をぼーっと見ているのも、もしかすると楽な時間かもしれません。
でも、それが毎日の習慣になっちゃうことは避けなければなりません。
バンボのおすすめの使い方
離乳食などを与える時には、姿勢の保持が楽なので、他のベビー椅子よりも良いかなと思います。
私も使ってきましたが、アタッチメントのテーブルを使ったり、あるいは高さが程良いテーブルと組み合わせると、赤ちゃんが離乳食に集中できる可能性はあります。
あとは、車のトランクに入れておいて、外食の際にお店に持って入ると、子ども用の椅子の用意がないレストランなどでも大人用の椅子の上にバンボを固定して(転落に注意は必要です)座らせると、うまく食事の時間を過ごせることがあります👌
まとめ
バンボチェア、絶対に使ってはいけないとは言いません。
便利で快適なツールの一つではあります。
こういうツール全般に言えることですが、便利であればあるほど、人間の機能は低下していきます。
携帯電話を持つようになってから、他人の電話番号を覚えられなくなりましたよね。それと同じです。
子どもの発達を邪魔することなく、子どもも周囲の大人もみんなにメリットがあるのがベストだと思います。
心当たりがあるママ・パパ、ちょっとこの機会に使い方を考えてみませんか?
今日も読んでくれてありがとう。
また明日もこのブログでお会いしましょう👋
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