熱性けいれんにダイアップ予防は必要か?

コドモの病気と治療

小さなお子さんが高熱を出すと、ママ・パパが心配するのが熱性けいれんです。

熱性けいれんをしたことがあると、幼稚園は保育園で「予防はするように医師から言われていますか?」とか、「予防の坐薬を準備した方がいいんじゃないですか?」というようなことを言われ、ママ・パパは「何それ?」と心配になってクリニックを受診されるケースがあります。

今日はそんな、熱性けいれんとその予防について解説したいと思います。

熱性けいれんとは

熱性けいれんは、6カ月~5歳ころの子どもが急な発熱に伴って意識障害、けいれん(筋肉の収縮)を引き起こす病気です。

通常38℃以上の発熱時で急激に体温が変化するときに起こりやすいとされています。

1回だけで終わる子が約半数とされています。

残り半分は何度か起こしますが、成長に伴い6歳前後でほとんど起こさなくなり経過は良好です。

日本の統計では小児のおよそ8%(西欧は3%)にみられますので、珍しい病気ではありませんね。

はっきりとした原因遺伝子などはわかっていませんが、両親が熱性けいれんをしたことがあると、その子どもは熱性けいれんをする確率が2〜3倍上がります。

熱性けいれんの分類

熱性けいれんは2つのタイプに分類されています

  • 単純型熱性けいれん
  • 複雑型熱性けいれん

単純型は、通常発熱後24時間以内に発生し、全身性のけいれんで、数分で収まり繰り返さないタイプのけいれんです。

逆に複雑型は、15分以上続いたり、体の一部だけ(限局性)におこったり、一度の発熱で複数回けいれんを起こすタイプのものをいいます。

熱性けいれんの予防

熱性けいれんの予防(発生しないようにする)には、ジアゼパムという抗けいれん薬が有効です。

商品名を「ダイアップ」といいますが、こちらの方がママ・パパの耳には馴染みがあるかもしれませんね。

このお薬は坐薬タイプがあり、これを熱が上がってきそうな時にお尻から入れてあげると、けいれんの発症を予防できるというものです。

一昔前は、熱性けいれんをしたことがある子どもには積極的に予防として使用していた時代がありましたが、最近のガイドラインでは、複雑型熱性けいれん(15分以上続くなど重症なケース)に使用するように変わってきています。

理由はダイアップの副作用です。

脳の神経活動を抑えるお薬なので、ふらついてケガをしたり、意識がボーッとしてしまうので、熱の病気で意識がボーッとしているのか、お薬の副作用でボーッとしてるのかわかりにくくなる可能性があるからです。

お薬にはどんなものでも副作用があるということですね。

メリットとデメリットを知った上で、うまく使うことが重要です。

まとめ

今日はよくいただく相談「熱性けいれんにダイアップ予防は必要か」について解説してみました。

けいれんって、本当に心配ですよね。私の子も起こしたことがありますが、自宅で起きたらプロでもちょっとビビります💦

病態や対処をしっておくことはとても大事です。

今日も読んでくれてありがとう☺️

ではまた明日もお会いしましょう👋

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