先日のブログで、秋に流行する咳が強い風邪についてお伝えしました。
原因ウイルスとして最も可能性が高いのは、、、
パラインフルエンザウイルス
でしたね。
当時の記事をまだお読みで無い方はまずそちらをどうぞ↓
でね、このパラインフルエンザウイルス、咳がつよく、夜中にゼーゼーすることも多いので、クリニックや病院でホクナリンテープという、皮膚に貼って吸収させて効果が発揮するお薬を処方されることがあります。
ぐんぐんでも時々処方することがあるのですが、ママ・パパは「咳止めシール」と勘違いしておられるケースがあります。
今日はその辺りを解説してみたいと思います。
ホクナリンテープとは何?
ホクナリンテープというのは「ホクナリン」というお薬をしみ込ませた、皮膚に貼って吸収させるテープ状のお薬のことです。
「ホクナリン」というのは商品名で、薬品名は「ツロブテロール」という名称です。
ジェネリックだと「ツロブテロールテープ」というような命名になることが多いですね。
ホクナリンの薬効
ホクナリン(ツロブテロール)は、気管支拡張剤というお薬で、メプチン(プロカテロール)やベネトリンなどと同じ種類のお薬です。
その名の通り、炎症などで収縮した気管支平滑筋をゆるめて、空気の通り道(気管支)を広げてあげる作用があります。
なので、どういうケースで効果を発揮するかと言うと、夜中にヒューヒュー言ったり、ゼロゼロ言ったりする呼吸音の時に効果があるわけです。
決して咳止めではありません。
じゃあ、貼っても咳は止まらないの?
はい。咳を直接止める作用はありません。
実はこの「直接」というのがミソで、ここが「咳止め」と誤解されやすいポイントなんです。
気管支炎や喘息が起きると咳が増えるのは想像しやすいと思います。
気管支(空気の通り道)が狭くなることで、呼吸がしにくくなったり、ゼーゼーいいだしたり、たんがキレにくいので咳がふえたりするわけです。
そんな時に、うまく気管支拡張剤が効くと、
気管支が広がってそれらの症状が和らぐ
↓
「咳が減る」
という結果につながります。
すると、その結果だけを捉えると「テープを貼ったら咳が減った」という実感になっちゃうのでしょう。
風が吹けば桶屋が儲かる状態になるわけですね。
逆に、気管支に原因がある咳でなければ、たとえば鼻や喉の炎症が原因で起きている咳には全く効果がないんですね。
そういう場合には、副作用しか残りません。
ホクナリンテープの副作用
気管支拡張剤というのは交感神経刺激役ですので、当然「交感神経症状」が副作用として挙げられます。
具体的には
・動悸(心臓がバクバク)
・振戦(手先が震える)
・嘔気、めまい
などがあるのですが、まあ言ってみれば「そりゃそうだよね」という症状です。
交感神経というのは、体が興奮したり、怒りや危機感を感じている時に働く神経ですから、めちゃくちゃ怒ってる時なんかを想像してもらうと、上の3つはなんとなくイメージできますよね。
あと、テープ剤特有の副作用としては、皮膚炎(テープかぶれ)もよく起きます。
まあ要は使い方を誤ると、効果がない上に、副作用だけが発生するという残念な事態も起こりえるということです。
まとめ
ホクナリンテープを「咳止め」と認識させてしまっているのは、間違いなく医者の説明不足です。
副作用もそれなりにあるので、「咳が出たら貼ってね」などと気軽に言えるものでは本来ありません。
飲み薬ではないので保存も効くし、テープ状で包装も薄いので保管してもかさばらないので、患者さんとしては便利な薬にしか思えませんよね💦
だからこそ、処方するときにはきちんと説明しないといけないと思っています。
この記事を読んでいただけたら、もし余っているテープを使うときには十分ご注意くださいね。
今日も読んでくれてありがとう☺️
ではまた明日もお会いしましょう👋
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