今日もワクチンに関するニュースです。
先日、4種混合とHIBワクチンが合体して5種混合ワクチンになることを解説しました。
今日はこの肺炎球菌ワクチンニュースを解説しましょう。
いつ決まったの?
このワクチンも、先日の5種混合と同時、12/20なんです👏
繰り返しですが、「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」という非常に長い名前の会議で決まりました。
そこで提出された資料はこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001180659.pdf
この会議で2024年4月から新しいワクチンに切り替わることになりました。
肺炎球菌とは
肺炎球菌というのは、その名の通り、肺炎などの呼吸器感染を起こす細菌です。
「肺炎」という名前が付いていますが、肺炎以外にも中耳炎や副鼻腔炎、重症な者だと髄膜炎や敗血症(菌血症)などを起こすことが知られています。
肺炎球菌という最近には実は50以上の種類(専門用語で「血清型」といいます)があって、それぞれに背番号がついています。
その背番号の中で、「ちょっとした悪さ(かぜくらい)するヤツ」もいれば、「極悪な(髄膜炎など起こす)ヤツ」まで色々います。
でね、その悪い背番号のパーツを何種類か含めたワクチンが肺炎球菌ワクチンなのです。
これまでの肺炎球菌ワクチンの歴史
肺炎球菌ワクチンが日本で定期接種として開始されたのは平成25年(2013年)4月です。
当初はPCV7というワクチンを使っていました。
「7」という数字は7種類の抗原が入っているという意味でした。
PCV7には極悪メンバーの背番号、4、6B、9V、14、18C、19F、23Fの7種類が含まれていました。
このワクチンが定期接種になって、一気に世の中の髄膜炎や敗血症(菌血症)が減りました👏👏👏
でもね、PCV7によって7種類が捕まるようになると、次に悪い奴らが世の中にのさばるのようになりました。
そのため、平成25年11月には新製品のPCV13という製品が出ました。
ご想像のとおり、従来の7種類に、次に悪い6種類(1、3、5、6A、7F、19A)を加えた13種類が入ったワクチンです。
以後10年ほどはこのPCV13が活躍してきましたが、この度PCV15にリニューアルすることになりました!
PCV15は何が加わった?
2つ背番号が加わったのですが、それは22Fと33Fというものです。
これまでのPCV13でもかなり髄膜炎などの重症感染は減っていたのですが、22Fと33Fによる重症感染もじわーっと増えてきていたので、これらを抑えるために追加になりました。
どんな製品か
商品名を「バクニュバンス」といいます。
MSDという製薬メーカーが作っています。ロタテックやシルガード9なんかも作っているメーカーですね。
接種スケジュールなどはこれまでと同様です。
まとめ
肺炎球菌ワクチンというのは、本当によくできたワクチンです。
これとHibワクチンで細菌性髄膜炎が激減しました。
私が研修医だったころは、かなりの重症例もパラパラいましたが、最近の研修医や若い小児科医は診たことないドクター多いんじゃないかな。
今でも十分な性能ですが、さらなるパワーアップは歓迎したいと思います👏
今日も読んでくれてありがとう☺️
ではまた明日もお会いしましょう👋
おまけ:日替わり動画
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