耳垢は家で取らなくても大丈夫。

コドモの病気と治療
Woman is cleaning ear with a cotton swab

先週・今週と「耳垢とってくださ〜い」というご依頼を多数いただきました。

実はワタクシ、耳垢取るのが大好きです。ちょっとした宝探しみたいなテンションです。

巨大な耳垢を見つけると、若干燃えます🔥

よくいただくご質問が、

「家で耳掃除したほうがいいでしょうか?」

というご質問です。

結論から言うと「一般的にはしない方がいい」です。

今日はその理由を解説して参りましょう!

理由①:子どもは耳の穴が狭い

これは敢えて書くほどのことでもないかもしれませんが、一応はじめに解説しておきます。

日本衛生材料工業連合会という、綿棒などを作っている会社の組織があるのですが、そのHPによると↓

まあこんなにも種類があるのですが、レギュラータイプの太さは5mm程度、赤ちゃん用などは3mm程度のものが一般的です。

対して、子どもの耳の構造はどうでしょう?

(図:MSDマニュアル家庭版より)

この図を見ていただけるとわかりますが、外耳道の真ん中くらいが一番細くなっています。

大人で7mm前後、子どもだと年齢にもよりますが、5mm以下のことも多いです。

つまり、一般的な綿棒では、小児の耳の穴と同じくらいの太さのこともあり、掃除しているつもりが奥に押し込んでしまっているケースもあります。

理由②:動くと危ない

これは子どもならよくあることですが、耳垢を取ろうと綿棒や耳かきを耳に入れると、かなり大きめの音がなるため、子どもは無意識に頭を動かして逃げようとします。

耳の穴(外耳道)は大人で約3.5cm、子どもだと2cmちょっとの長さですので、頭がガッと動くと、鼓膜を傷つけてしまうことがあるのです。

綿棒などでは鼓膜に穴があくことは少ないと思いますが、耳かきなど硬い器具の場合は鼓膜に穴を開けてしまう可能性があります。

理由③:そもそも耳垢は自然に出ていく

これが実は一番大事なことですが、耳垢は自然と穴から出ていきます

これを証明した良い動画があります。

日本耳鼻咽喉科学会、静岡県地方部会、学校保健委員会が作成した動画です。

12分ほどですが、早送りでも良いので見てみて下さい↓

私もこの動画をみて、すごく感動しました。

5ヶ月で外耳道の皮膚は外へ外へと新陳代謝で生まれ変わってくるんですね。

まとめ

私は耳垢を取るのがすごく好きな小児科医ですが(ちょっと珍しいらしい)、一度主治医に頼んでみましょう。

もしダメだったら、耳鼻科にいくと取ってくれます。(中には小児は苦手という耳鼻科医もおられますが😅)

ま、とにかく、家では触らなくて良いということは覚えておきましょう。

今日も読んでくれてありがとう☺️

ではまた明日もお会いしましょう👋

おまけ:日替わり動画

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