乳児用ミルクとフォローアップミルクの違い。

酪農が盛んだったヨーロッパでは離乳期に牛乳を与える習慣がありましたが、鉄欠乏に陥るコドモたちがたくさんいました。

牛乳は安価で非常に良い栄養源なんですが、鉄分と、いくつかのビタミンが少ないのが難点なんです

その対策としてそれらを添加して生まれたのが

フォローアップミルク

なんですね〜

一方日本では、1980年に「離乳の基本」というガイドライン的なものができましたが、米・豆・野菜を中心とした食生活であったため、それらを組み合わせた手のかかるものでした。

また、乳児用ミルクは比較的高価であったことと、食事の西洋化に伴って、離乳早期から牛乳を与えてしまい貧血を起こすケースが増えてきました

そのため離乳食以外の食物で手軽に補える食品が必要だったんです

そういう事情があって日本でもフォローアップミルクが導入されました

さて、前置きが長くなりましたが、両者の違いについてお話ししましょう

両方とも牛乳を原材料にして作りますが、目的が若干異なります。

それぞれの目的は、

• 乳児用ミルク⇒母乳の成分に近づけてある
• フォローアップミルク⇒牛乳をベースに不足する成分を添加

という感じになっています。

濃度や構成成分の表はこんな感じ↓

（WAKODOのHPより）

見てみると確かに母乳と牛乳は鉄分がかなり少ないですよね。

でもまあ、逆にいうとそれ以外は、入っているものはそれほど変わらないんですが、お値段が割と違います

アマゾンで同じWAKODOのミルクで比較すると↓

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乳児用ミルクの方が約1.2倍も高い！

どうしてこんなに差がつくのでしょう？

原材料がどちらも牛乳なのに、なんでこんなに差が出るかというと、製造管理の問題があるそうです。

「乳児用調製粉乳（いわゆる乳児用ミルク）」は厚生労働省の「健康増進法」により、「特別用途食品として、表示の許可基準」が定められており、各栄養素の含有量が厳しく決まっています

なので、乳幼児用ミルクは決められた通りの配合にしなければなりません。

牛乳成分を主原料にしていますが、糖は乳糖・オリゴ糖に、たんぱく質は乳清たんぱく質を優勢とし、脂肪は植物油・魚油などを使用することによって脂肪酸組成を整えて母乳と同じ成分にされ、更に発育に必要な微量元素やビタミンなどを加えて、限りなく母乳に近づけて作られています。

その分製造コストが高くなるんですね

一方、フォローアップミルクについては、法律的なシバリはありませんので、各メーカーが独自の研究開発が可能です。

元は牛乳に必要な栄養素を添加しているだけのものなので、コストは抑えることができます

そうなると、

「フォローアップミルクの方が安いから、はじめから赤ちゃんに与えたらダメなんですか？」

という疑問・質問が湧いてきます。

でも、答えはNGです

２つ理由があります

フォローアップミルクは、乳児用ミルクと比べると、たんぱく質と炭水化物が多く、カルシウムも２倍近く含まれています。赤ちゃんに適切な栄養バランスを満たしていません。

また、微量元素も問題になります。乳児用ミルクには成長に必要な銅と亜鉛が入っていますが、フォローアップミルクには含まれていません。

なので、フォローアップミルクだけで育児をしようと思うと、成長に支障をきたす可能性があるというわけです。

決して安いからという理由だけでフォローアップミルクを選んではいけないということですね

逆に、↓のような質問も時々いただきます。

• 赤ちゃんのミルクをお兄ちゃんが欲しがるんですけど、与えてもいいですか？
• 結構たくさん買って余ってるので1歳超えてもあたえていいですか？

これは全然構いません

過量に摂取して困るような成分は入っていませんので、ちょっとコストかかりますが飲んだってどうってことはないです

ご理解いただけましたでしょうか？

では今日はこのへんで

また明日もこのブログでお会いしましょう

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